ドラえもんが実際に僕の隣にいたらどうなるだろうか。
やりぃ！人生優勝！さいこぉ！
music common！ lets dance！
と安直になってくれればよいが、
実際はそんな簡単にはいかない気がする。
まず、ドラえもんとは同居しなければならない。
同居しないドラえもんはもはや
ドラえもん足りえないだろう。
同居しないパターンとしてはドラえもんを
ウィークリーマンションに泊まらせ、
ひみつ道具が必要な時だけ僕がそこに赴く。
なんだか悪徳社長と愛人のような関係じゃないか。
あまりにインモラルすぎる。
やはり、ドラえもんとは同居しなければならない。
そうなると、お互いのプライバシーの
問題が出てくることになる。
これは由々しき問題となる。
ただでさえルームシェアでごたごた
してる友人を見ているのだ。
そんなことは避けたい。
ドラえもんの寝室が問題だ。
のび太の部屋では押し入れで寝ていた。
我が家には押し入れがないため、
ウォークインクローゼットに寝てもらうことになる。
なんだか、あまりに無機質だ。
それはドラえもんというよりは
大型の家電をとりあえず収納する
といったおもむきを感じさせてしまう。
僕の洋服を眺めながら眠りにつく。
ドラえもんサイドもこれには不服だろう。
では僕がベッド、ドラえもんは布団で
同じ寝室で寝るというパターンを考慮する。
これは一見問題ないように思えるが、
寝起きの僕がドラえもんを蹴っ飛ばしてしまうかもしれない。
ドラえもんの体重は129.3kg。
タンスの角に小指をぶつけた程度の
衝撃ではすまないだろう。
軽く見積もってもヒビが入る。
勢いによっては複雑骨折の可能性すらある。
これはいただけない。
ではドラえもんがベッドで寝るのはどうか。
ドラえもんがベッドで寝てたら半年くらいで
マットレスがダメになりそうである。
だいたい家主が床に布団で
居候がベッドなんていうのはもってのほかだ。
次に、食費の問題がある。
そんなもんひみつ道具でなんとかしろ
という意見もあるかもしれないが
ドラえもんはあれでモラリストな一面もある。
金に関しては厳しそうだ。
そのくせのび家ではタダ飯・タダどら焼きを
ひたすら食らっていた。ニートじゃないか。
僕の家から自転車で15分ほどのところに、
どら焼きで有名な店がある。
これを1回食べさせようものなら
きっとドラえもんは中毒になる。
これを買わせるために、
僕を馬車馬のように働かせるだろう。
僕がくたくたになったら
タイム風呂敷で元気な時の僕に戻し、
再び働かせる。地獄。まぎれもない地獄である。
あるいは卑屈になって僕から
お小遣いをねだるようになるかもしれない。
僕の欲望を刺激し、それをひみつ道具で満たし続けて
僕から金銭を享受する。
最低の関係性である。
温かさも何もないではないか。
またあるいは、己のモラルを破り、
バイバインで増やして食べまくった後、
宇宙に送るといった非人道的行為を
繰り返すようになるかもしれない。
ドラえもんを外に出すか否か、
友人と会わせるか否か、
といった問題も生じてくる。
超ド級の兵器にもなるドラえもんを
僕が持っていることを知られたら、
ありとあらゆる国家が僕を狙ってくる。
国家の力にかなうわけがないのだ。
よって外には出せない。
更に友人に合わせたら友人が一瞬で
欲望を爆発させてドラえもんを
私利私欲のために乱用するかもしれない。
やはり友人にも会わせられない。
そうなるとウィークリーマンション軟禁状態が
一番現実的なのかもしれない。
しかしそうした時にドラえもんが
僕に謀反を起こす可能性は極めて高いと
言わざるをえないだろう。
マンションのドアを開けた瞬間、
空気砲を浴びて吹っ飛び転落死。
そんな痴情のもつれみたいな死に方は
絶対にごめんである。
結論、ドラえもんは手に余る。
PS.漫画版のドラえもんは発言が
ナチュラル畜生でキレがあります。
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