みなさん
サンボマスター、聴いていますか?
サンボマスターの曲のテーマは
かなり一貫していて、
「あなたと僕と愛と恋と世界と生きること」
これに尽きます。
そう、アホほど純粋で中2感満載です。
おもいっきりど真ん中ストレートの中です。
つらくても、くじけそうでも、あなたを
愛して恋して生きていこうぜ、
ってこっちが恥ずかしくなるような勢いです。
なんだかこの熱さはWANIMAにも似てるな、
と僕は思ったんですけど、WANIMAより
はるかに好感が持てる理由は
「服装がダサイ」
「全体的に陰キャっぽい」
「ボーカルが中年童貞っぽい」
上記の3つがあげられるでしょう。
これがボーカルの山口の写真です。
最近のライブで
「俺はブルーハーツになりたかった!!
でもなれなかった!!
だから俺は俺になる!!!」
と叫んだようです。
最&高です。この男。
40過ぎて、「俺は俺になる」なんてなかなか
言えません。サイコー。
そして、皆さんご存知
「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ 」
これはドラマ「電車男」の エンディングテーマ
として人気となった、おそらくサンボマスターで
最も有名な曲ではなかろうか。
そして、この曲にはサンボマスターの
エッセンスが存分に詰め込まれている
ので、皆さんにもお届けしたい。
以下、恒例の歌詞の紹介。
『昨日のあなたが裏切りの人なら
昨日の景色を忘れちまうだけだ』
このテンションですよ。
まずあなたが裏切ったという事象に
対してショックを受けたとか、
悲しみに沈むとか、そういうことは
いっさい言わない。
そして何をするかといえば
「忘れちまう」
これは恐ろしい手法ですよ。
許すとか、話し合うとか、
そんなことしないんですよ。
「忘れちまう」
まるでなにも解決していないんです。
絶対に悪い方法ですよ、こんなの。
浮気を告白してきた彼女に対して、
既読無視、そして翌日の朝にLINEで
「おはよー!」
「今日どこいく??」
と送るようなものです。
このサイコ気味の歌詞を
サンボ山口がゴリゴリの熱量で歌うことで、
なぜか心がとんでもなく揺さぶられるんです。
『僕らが、僕らが、新しい日々を思うときに、
僕らはどうしても愛と言う言葉を
使ってしまうわけですよ。
心の声とあなたの憎しみと
裏切りを愛と言いたいわけですよ!』
サンボマスターは気分がバチッとはまった時に、
一発でレコーディングするという
手法を取っているらしく、
曲の間に入るこのセリフもその勢いが
バッチバチに乗っかっている。
これは歌詞ではなく、セリフのため、
カラオケなどでは表示されない。
このセリフの秀逸なところはやはり、
「心の声とあなたの憎しみと
裏切りを愛と言いたい」
ここでしょう。
心の声はわかります。
真実=愛の図式です。
真実は愛です。うん。わかる。
あなたの憎しみ?
これもまだぎりぎり分かるかもしれない。
愛憎って言葉もあるし、
愛と憎しみは表裏一体のものなので、
憎しみ=愛
これもまた成り立つかもしれない。
うん。わかるね。
裏切り?
いや裏切りは愛と言えるのか?
言えない…と思うよ?
んん?
言えないでしょ?
心の声と憎しみと裏切りが混ざったら
もうこれはぐちゃぐちゃで
とても言葉では言い表せない、
気持ちになりますよ。
それを愛と言いますか?
言えますか?
彼女が裏切り、あなたを憎んで、
あなたの心の声が張り裂けそうになる。
それを愛と果たして言えるのか?
それ愛だとを大声で言うのが
サンボマスターなんです。
『悲しみで花が咲くものか』
サンボマスターの歌詞を紐解くと、
表と裏、両方を歌っているわけです。
愛と憎しみ、恋と裏切り、光と影。
この両面をしっかりと見つめて
歌っていながら、サンボマスターのすごいところは
決して「ニュートラルの位置にいない」ところ
なんですね。
ずっと愛と恋と光の立場を
目指してもがき続けながら、
両面をしっかりと見ている。
その恐ろしいバランス感覚が
絶妙の歌詞を生んでいるわけです。
前述の
「心の声とあなたの憎しみと
裏切りを愛と言いたい」
があってからの
「悲しみで花が咲くものか」
憎しみと裏切りを愛と言い放ちながら
悲しみで花は咲かないという
確かな意思。
この力強さこそ、サンボマスターの真骨頂です。
みなさん、ぜひ聞いてください。
PS.お風呂場の掃除中に宅配があり、
ポストに不在票が落ちる音で気がつき、
急いで追いかけたのですが、
時すでに遅しでした。
悲しいです。
この悲しさも愛なのでしょうか。
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