僕はカラオケが好きだ。
大学生の頃からヒトカラにハマり、
ありあまる己の欲求を爆発させていた。
一人で好きな歌を思う存分に歌う。
好きなタイミングで曲を止める。
独自のアレンジを入れる。
ひたすら採点で高得点を狙う。
いろいろな方法で僕はカラオケを
楽しんでいた。
カラオケの隠れた魅力の一つに、
曲の間に流れる謎の映像がある。
熱い感じの歌なんか歌う時に流れる
「新人カメラマン奮闘するやつ」
恋人の別れの曲に流れる
「彼女が海外協力隊に行くやつ」
サザンの曲で良く流れる
「海の民宿の女の子が客の男と仲良くなるやつ」
などなどである。
まるで大学生の自主制作映画のようなクォリティで、
これらが流れる度に恥ずかしくなるような、
笑っちゃうような不思議な気持ちにさせられる。
ベタベタで古臭くてステレオタイプそのものなんだけど、
なんとなく気になっていた。
そして先日ヒトカラをしていた時に、
DAM×MOVIEというコンテンツを発見して、
流して見ると……
出た。
「リーマンが自転車便と衝突して仲良くなるやつ」
があった。
どうやらこれはもともと映画放映されていたものを
DAMが使用しているらしい。
タイトルは「夏休みのような1ヶ月」
もうタイトルを聞いただけで
「んあああ!!!」
となるむず痒さである。
いつか自分も持っていた
青臭さを前面に
押し出してくるその姿勢に、
僕は負けた。
1話を見た。
僕は訳の分からない感情に襲われ、
ブルーハーツ「青空」を熱唱し、
部屋を出た。
今度ヒトカラする時は2話を見よう。
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