流れる景色を必ず毎晩見ている
ウチに帰ったらひたすら眠るだけだから
wow war tonight
〜時には起こせよムーヴメント〜
車窓を流れる景色をじっと見ていた。
夕焼けがゆっくりと空を覆い始めて、
荒川の水面をオレンジ色が侵食していく。
輝いている。
始まりから終わりまで
どたばたはらはらと飽きない三連休であった。
金夜、台風の合間に彼女の家に向かう。
彼女の家の方が若干ではあるが、
空港に近い。
雨に濡れた交差点では水溜まりが
信号機や街灯、車の光を反射して
にじんだ光を街にばら撒く。
西鉄バスで福岡空港まで行き、
福岡空港から羽田空港へフライト、
その後羽田空港から京浜急行で品川、
山手線で品川から東京、新幹線で
東京から上毛高原、鎌田線(バス)で
上毛高原から沼田駅に行き拾ってもらう。
今書いてみても壮絶な乗り換えだ。
間違いなく人生で1番乗り換えた。
途中、赤羽を通った。
志茂のゴミ焼却場の塔が見える。
4年間、ベランダから眺めていた光景が、
今、角度を変えて数秒で流れていく。
あれだけ近かったのに、あれだけ見ていたのに、
今ではあっさりと過ぎ去っていく。
それは時の流れを否応なしに実感させた。
風呂に入り、別荘へ。
これ、これだよ、これを待ってたんだよ。
落ち着く…
この時間、虫の音とシーシャの煙と
取り止めのない話。
戻ってきたと思った。
そしてハッとした。
僕は明らかに変わった。
前よりも遥かに遠い場所にいて、
目まぐるしい日常に翻弄され、
思ったよりも速いスピードで
時間が流れている。
この時。
みんなといる時間。
優しく淡く包まれる。
心に張っていた膜が静かに
ふわりと剥がされていく。
UNO。
ジェンガ。
お酒と煙にほろ酔ってゆく。
目が覚めると朝靄に包まれていた。
ラジオ体操もどこか清々しい。
今日は暑くなりそうだ。
昼もあっさりと流れ去り、夜。
焚火はずっと眺めていられる。
何故だろう?
火を使いこなす動物は人間だけだ。
原初の記憶がそうさせるのだろうか?
爆ぜる音と揺らめく炎を眺めていると
そんな思いも霧散していく。
ただただぼーっと、火を眺める。
なんて思ってたらぼっこぼっこに
ダークリーフに喰らわされる。
世界が回る。
ふらつく。
一酸化炭素が血液を巡って
脳を麻痺させていく。
上に上がって休憩する。
ナオトが途中トイレに上がってきて、
気遣ってくれる。
優しい男だ。
出会ってからそんなに経ってないのに
ずっと前から遊んでいるような気がする。
大人になってからできた友達は
不思議なもので、なんだか前から
知っていたような雰囲気にさせられる。
あの時にいたらこんな感じだったろうな、
なんていうのがありありと想像できる。
初対面のカイ君ですらそう思える。
濃度。
このメンバーで過ごす時間は
濃度がとても濃いんだ。
自然体でいること。
自然体でいられること。
それが共有できること。
飲み会を重ねたり、細々と会うよりも
一回別荘で過ごす方が遥かに
親密になれる気がする。
不思議な空間の不思議な時間。
流れ去った後に気づく確かな煌めき。
終わって本当に気づく輝き。
輝き。
東京を離れて約半年が過ぎた。
今日の仕事はやるせなかった。
課題は多いし、やることは多いし、
不明な点が多い。
そのひとつひとつを手探りで、
時に痛みを伴いながら掴んで
形がわかるまで求め続ける。
深く暗い雲の中を無我夢中で泳いでは
喘ぎもがきながら前に進む。
やがて不透明な何かが
たしかなひとつの明かりとなる。
その小さな光がさらに重厚な
闇の雲の存在を形作っていく。
僕は小さな光が消えないように
手の中でそれを包み込む。
闇が僕を包み、飲み込み、
僕そのものを闇の中のひとつに
しようとする。
深く深く凍える闇の中に
閉じ込められそうになる。
そんな時には後ろを振り返る。
僕の思い出が輝いている。
僕を温めている。
そして僕はまた小さな光を掴み取り、
手の中の光に合わせ、少しずつ光を
大きくしていく。
そうして、日々をこなしていく。
そうやって、生きていく。
ps.右足5箇所、左足4箇所、
右腕3箇所、左腕2箇所、
首2箇所、合計で16箇所の
虫刺されがありました。
fack fack fack fack!!!
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