たった2日ばかりだが、不眠症になった。
ここではその体験を記したい。
1日目
22時にベッドに入った。
夏の暑さは過ぎたけれど、少しだけ
湿度が高いようなそんな9月の夜。
眠れない…
僕は寝返りを10回くらいうった。
何度寝返りをうとうが、睡魔はこない。
それどころかどんどん緊張する。
寝ないといけないと思うほどに、顔が強張る。
寝れない。
スマートフォンで確認すると、
時刻はすでに12時を回っていた。
2時間も寝返りをうつなんて。
別段お昼寝なんてしていないのに。
なぜ眠れないのだろう。
考えれば考えるほど寝れない。
どんどん深みにハマっていく。
…寝れない。
本当に寝れない。
もう1時半を過ぎている。
こうなればいっそシャワーを浴びよう。
もう一度シャワーを浴びる。
軽くストレッチをして、布団に入る。
…だめだ。
なんでだ?
仕事も特に忙しくないし、
私生活で疲れていることもない。
順調。
順調なはずである。
なのに。
寝れない。
時計は2時を回っている。
信じられない。
心を緊張と不安が襲う。
そんな気もないのに、なぜか
悪いイメージばかりが頭を過ぎる。
マンションから落ちる想像。
ネクタイで首をくくる想像。
大動脈を包丁で切り裂く想像。
そんな想像の一つ一つが生々しく
頭に描写される。
なんとかそんな疑惑を振り払いつつ、
横になって身体を休めることだけを意識する。
いつか母親が僕に
目を瞑って横になっているだけで
回復するから大丈夫、
と言っていることを思い出す。
ただ、それだけを信じて目を瞑る。
夜の闇が深い青色に変わる頃、
ようやく少しだけまどろんだ。
たぶん、4時半くらいだろう。
起きてるのか、寝た気がしないまま
6時半ごろ起きた。
このまま今日仕事が出来るだろうか?
僕はたまらなく不安になって、
カフェインの錠剤を飲んだ。
朝、家を出て信号待ちをしていると、
どうしようもなく心が落ち込んだ。
わからないことが怖い。
眠れないことがこんなに怖いとは思わなかった。
仕事はわりとしっかりとできた。
眠くもならなかった。
そのことは少しだけ安心させたが、
今日も眠れないとどうしよう…
そんな不安は僕の心にしっかりと残った。
2日目
恥も外聞もない。
僕は恋人に眠れなくて怖いので、
今日は一緒に寝て欲しいと伝えた。
二つ返事で快諾してくれた。
しかし、やはりベッドに入っても
なかなか眠りにつくことができない。
僕は昼休みに買っておいたドリエルを飲んだ。
なんだか、自分の身体がフレーク状に
細々と砕けて、地面の一部になるような
イメージが湧いてくる。
そのまま土に溶けるように、
僕は眠りに落ちた。
起きてスマホをチェックする。
6時。
ちゃんと眠れた。
薬を使ったとはいえ、眠れたことに安心した。
しかし今度は薬が無ければ眠れなくなるのか
それが小さな不安になった。
弱音を吐くと、恋人が励ましてくれた。
本当に、1人でなくてよかった。
3日目
なんだか眠れないことに腹が立ってきた。
なんで眠れないのか。
そこまで眠れないなら試してやろうじゃないか。
僕はクタクタに疲れることにした。
帰宅し、筋トレをする。
腹筋と胸筋を盛大に痛めつける。
そうだ。この苦しみだ。
この苦しみを俺は待っていた。
そしてランニング。
めちゃめちゃに走ってやろう。
僕は勢いのまま走り出し、15km走った。
帰ってからさらにもう一度腹筋と胸筋を
念入りに痛めつける。
バブを入れた風呂に入ってご飯を食べて、
本を読んで22:30にベッドに入った。
不安は心にあったが、それ以上に
肉体は疲れている。
僕はいつのまにか眠っていた。
スマホのアラームで起きた。
ちゃんと眠ることができた。
明日は眠れるだろうか?
一応、明日も軽めに身体を痛めつけよう。
もし、めちゃめちゃに疲れなければ
眠れないとしたら、僕は眠るために
どんどんと筋トレをして、マッチョに
なっていくのかもしれない。
それはそれで悪くない。
そんなことを思いながら、弁当を作り始めた。
ps.
お洒落なカフェで食べたピスタチオアイス
マリトッツオです。
最近なんでもかんでもマリトッツオに
すればいいと思ってる風潮ない?
味はピノのピスタチオアイスと大差なかったです。
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