夜の街には秋の香りが混じり始めた。
飲食店の香りがどこからかして、
そういえば街ってこんな雰囲気だったな
って思いだす。
自宅までの帰り道でふと、
昔通っていたスイミングスクールの
記憶が頭に蘇った。
自宅から100mくらいだったけど、
幼い僕に夜の雰囲気を教えてくれた。
仕事で知らない街に行くのは楽しい。
知らない街ではなるべく個人経営と
思しきお店でご飯を食べることにしている。
なんとなく、街の雰囲気をその方が
味わえそうな気がするからだ。
先日は延岡に行った。
宮崎県の北の方にある街。
ここは静かな街だった。
田舎のベッドタウン、とでも言うのだろうか、
お店が少なくてアパートやマンションが多い。
そもそもこういった地方都市にマンションが
あることが珍しいのだが、延岡には
ぽつぽうとあった。
そして必然飲食店は少なかった。
とにかく街は静かで、正気をあまり
感じさせなかった。
延岡に住んでいる人間はみんな家で
何をやっているんだろう?
個人的な見解だが、延岡にはあまり
住みたくないと思った。
延岡に生まれていたらどんな人間に
なっていたのか、時折考える。
福岡に出てきただろうか、
それとも東京まで行っただろうか。
学生時代は運動部に打ち込んだだろうか、
あるいは文化部でのんびりと
時間を過ごしたのだろうか。
バイトはしただろうか、タバコは吸っただろうか、
喧嘩はしただろうか…
僕は東京のベッドタウンに生まれた
実に平均的な東京っ子となった。
延岡に生まれたら平均的な
延岡っ子になったのだろうか。
一つ言えることは、延岡にシーシャ屋は無く、
それだけでも東京に生まれてよかったと
心から思った。
選択の自由があることは、
心を彷徨わせる自由があるということだ。
ふるさと。
いつか福岡の景色も懐かしく思い出す。
その時に福岡をふるさとと思うのか?
志茂は間違いなく僕のもう一つの
ふるさととなった。
なんなら1番のふるさとかもしれない。
福岡もいずれそうなるのだろうか。
少し想像がつかない。
ただのオールドタウンとして
思い出すだけかもしれない。
場所には記憶が結びつく。
いつか東京に戻ってからまた、
福岡を訪れてみたい。
その時には違う見え方をするだろう。
それを心待ちにしている。
ps.投稿できてなかった。ごめんね!
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