インターネットの思い出

昔、僕はインターネットとはなんなのかを、
「おもしろフラッシュ」で知った。
それはまさしく全盛期であった。


そこには小学生男子の心をくすぐる数多の
作品たちがあった…
2ch発のキャラが縦横無人に飛び交い、
空耳、替え歌、ビックリ系、アニメパロディが
とりとめもなく繰り広げられ消費される。


まさしく<無秩序>であった。


そのカオスの中でひときわ眩しい光を
放つ彗星があった。



そう、



ちょいエロ。



今でこそちょいエロなんて落ち着いて
ちょいエロと判断できるが、
小学生男子にとっての"ちょいエロ"は
もう"ちょい"なんてものではない。


少年の中の雄を浮かび上がらせる
爆薬、ダイナマイトである。


一度着火したらもう爆発待ったなし。
ちょいエロ向かって爆風で一っ飛びである。


そしてその"ちょいエロ"という餌の周りには、
ワンクリック詐欺、架空請求、ブラクラと
いった無数の罠が隠れている。


これには数多くの小学生男子が騙される。
お利口な彼も、乱暴なあいつも、
地味なあの人も、"ちょいエロ"に
魅入られて爆発してしまえば、抗う術はない。



ウッフンな感じのバナーに誘われ、
ふらふら吸い込まれるようにクリックしたが最後、


貴方のIPアドレスを特定しました!
下記の口座に48時間以内に10万円を
振り込まない場合、警察に通報します!
※特定商取引法2条3項により公式の
 案内となっており~


と、突然表示され、青ざめることになる。
"IPアドレス" "取引法" "公式"
このあたりの謎の言葉の羅列に、


「なんだかよくわからないけどやべえ」


となってしまう。


小学生男子にとって
"親にエロいのがバレる"="死"を意味する。


しかし、そんな危険をかいくぐってでも、
なんとか"ちょいエロ"にたどり着きたい。
そうやって1人、また1人と死線を
くぐり抜けていく。


相手も黙っちゃいない。
さらに罠は高度化していく。
リンクとハイパーリンクの相違、
ホップアップ型広告、
ウィンドウの×ボタンがリンクボタン…


僕らもそれに対応していく。
迂闊なクリックは避ける……
拡張子の確認……
表示法って本当にあるのかどうか
ググってみる……



僕らは罠という罠に精通していく。




そう、紛れもなく僕らは兵士であった。
何度も死線をくぐり抜けることで、
インターネットを学んでいった。



インターネットを徘徊することは
砂漠の地雷原の中でオアシスを
探すような行為だったのだ。
僕らはそうやって一人前の兵士になったのだ。


こうした経験によりインターネットは
面白くも危険なものである、
ということを学んだのである。


ネット社会の現状を考えて欲しい。



些細なことで炎上、裏サイトを苦に自殺、
クソブログを2年半も更新し続けるバカ…



2chの元管理人「ひろゆき」が
「嘘は嘘であると見抜けない人が
 インターネットを使うのは難しい」
という言葉を2000年に残している。


SNSと現実世界がどんどん交わる現在、
罠を嘘と見抜き、フィクションとして
楽しむ気概が必要なのではないだろうか。



最後カッコよく締めた感じに
なったので終わります。





PS.幸いにも僕はその手の罠に引っかかる
  こともなく、閲覧履歴も完全に消してました。
  しかし今思うと、完全に消したことで
  怪しまれていたかもしれません。
  
   
     それでも僕が追及をまぬかれたのは、
  その履歴に僕以外のウッフン閲覧の
  痕跡があったからです。

  僕はこのことわざを思い出しました。
  
  「蛙の子は蛙」





今日も何かを間違えた

日々の中で間違えたこと ずれたことを綴ります。 岩崎キリン:iwa191cm@gmail.com

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