2022.06.17 23:25徒然○初恋の記憶僕は思春期というものがすこぶる遅かった。中学はただただ学校が楽しく、毎日を天真爛漫に楽しむ小太り少年として過ごしていた。しかし、入った高校は服装髪型髪色自由のパンキッシュな公立校だった。そこでオシャレという概念が初めて僕にインストールされて、何度かのバージョンアップを経てなんとなく自分に似合う服装とか雰囲気を身につけることができるようになった。そして唐突に初恋が訪れる。「使ってる携帯一緒だね!」と声をかけられたのがはじまり。こう聞くとまるで少女マンガのような微笑ましいスタートに思われるが、実態は少し異なっていた。僕は校内のエレベーターで下に降りるところであった。そしてドアの閉まりかけた時に彼女が件のセリフを発したので、正確には「使ってる携帯...