○初恋の記憶
僕は思春期というものがすこぶる遅かった。
中学はただただ学校が楽しく、
毎日を天真爛漫に楽しむ小太り少年
として過ごしていた。
しかし、入った高校は服装髪型髪色
自由のパンキッシュな公立校だった。
そこでオシャレという概念が初めて
僕にインストールされて、何度かの
バージョンアップを経てなんとなく
自分に似合う服装とか雰囲気を
身につけることができるようになった。
そして唐突に初恋が訪れる。
「使ってる携帯一緒だね!」
と声をかけられたのがはじまり。
こう聞くとまるで少女マンガのような
微笑ましいスタートに思われるが、
実態は少し異なっていた。
僕は校内のエレベーターで下に
降りるところであった。
そしてドアの閉まりかけた時に
彼女が件のセリフを発したので、
正確には
「使ってる携帯いっ」
というあたりでドアは閉まり、
声はかき消された。
残された僕は頭の上に
クエスチョンマークを5個くらい
浮かべて体育をするハメになった。
これが発端で彼女と話をすることに
なって付き合って後別れるのだが、
今でもあの
「使ってる携帯いっ」
の謎の勢いをたまに思い出す。
○性欲の消失、あるいは
今のところ、僕の性欲は消失する
気配を微塵も見せてはいないが、
おそらくいつかは
自然と消失していくのだと思う。
しかし、エロいものを追いかける
気持ちというのは、果たして
いつまで持ち続けるのだろう。
性欲の終着点が射精だとしたら、
AVはその終着点までの
特急券(時に鈍行切符)となるが、
必ずしもこれが一致するわけではない。
時にはエロいものを見たいという気持ちで
AVを利用する。それは射精を目的と
しない行為である。
ある意味で、人間だけがなし得る
行為かもしれない。ほとんど
全ての動物は繁殖のために性欲がある。
エロいものを見る、あるいは見たいという
気持ちが性欲と必ずしも一致しない現象。
これは、性欲とエロを求める気持ちが
分離していることを意味している訳で、
いつでも手軽にエロいものを享受できる
現代だからこそ加速している現象だ。
果たして、性欲が消失した時も
エロいものを見たいという気持ちは
残りうるのだろうか。
考えるたびに僕は不安のような、
恐ろしさのようなものを感じる。
ps.僕の父親は今年64になるが、
まだエロいものを見ています。
○夏至
6月21日は夏至である。
夏至、いい日である。
日照時間が一年で1番長いのだ。
すごい日である。
しかしながら、世間はあまり夏至に
注目していないように思われる。
なぜなのだろう?
梅雨で結局晴れることが少ないから?
日照時間なんか気にならないような
仕事をしているから?
いろいろな理由があるだろう。
だけど夏至の日はぜひ19時くらいに
外に出て欲しい。
えっ?まだこんなに明るいの??
って気分は、なんとなく人を
幸せにさせる気がする。
僕は東京にいた頃、夏至の日は
ほぼ確実にランニングをしていた。
仕事が終わってからランニングを
始めても、日が明るいうちに終わる。
えっ?もう7時半ですよね?
大丈夫なんですか?
と空に問いたくなる。
ふだん残業しない人がすごい
残っている時みたいな、不思議な感覚に
襲われる。
みんなもぜひ、夏至を楽しもう。
ps.僕は締切日でめちゃめちゃに
忙しくなる予定です。クソが。
今調べたら夏至は1番昼が長い
日であって、1番日の入りが遅い
日ではなかったです。テヘペロ!
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