みなさんはご存知だろうか。
「ドラゴンボールZ」の初代ED曲である。
この曲のもつ恐ろしいセンスについて、
皆さんにご紹介したい。
まずは聞いて欲しい。
ブログで埋め込みの音楽聞くのタルイと
思うけど、まずは聞いて欲しい。
さて、解説したい。
駆けてくるよ アップル色モンスター
飛んでくるよ ナッツの香りのエイリアン
出会って ドッキンドッキン
ピカピカ銀河は ポップコーンシャワ―
やはり歌いだしからしてこの曲の
恐ろしさが分かると思う。
アップル色モンスター・・・?
色を表現するときに「アップル色」なんて
普通使いますか?
あの子よくアップル色のシャツ着てるよね~
なんて言いますか?言いませんよね?
これは常識の一歩外からのアプローチを
しているわけです。
普通色といえば、赤・青・黄・緑・・・・
そういうのを想像しますよね。
そこでいきなり投げ込まれる「アップル色」
このアップルというチョイスも絶妙で、
「グレープ色」「みかん色」
ならしっくりきちゃう。
「パインアップル色」「キウイ色」だと
少し奇を衒いすぎて、白ける。
非常に際どいマジカルなポイントに
「アップル色」が存在しているわけです。
さらにここで止まらないのがこの歌。
続く言葉が「ナッツの香りエイリアン」
エイリアンがナッツの香りするなんて、
みなさん思いますか?思いませんよね?
そもそもエイリアンといえばグレイ型か、
タコ型のやつらを想像するのが
堰の山だと思うんですね。
形状を想像するところで止まるのが凡人なんです。
非凡なるものはここで、
宇宙人の香りに着目します。
でも鉄の香り、とか不思議な香り、とか普通は
思いますわな。でもここでいきなり飛び出す
「ナッツの香り」
「ナッツの香り」ってありえます?
宇宙人から「ナッツの香り」ですよ?
嘘だろ、って思いますよそりゃ。
非常に遠い座標にある「エイリアン」と
「ナッツの香り」を強引に同一座標に持ってくることで
かわいらしさと得体の知れない奥深さを
この曲は形作っているわけです。
その後のドッキンドッキン、
ポップコーンシャワーで
よりコミカルなかわいらしさを強調します。
いったんここで奥深さを隠す訳ですね。
きのうに バイ・バイ・バイ(ゴ・ハ・ン)
ふ・し・ぎ(いっ・ぱ・い)
力をコメて(おかわりOK)
こちらへ ライ・ライ・ライ
Woh・・・ みらくるZENKAIパワー!
Bメロ。
コミカルさがより強く出てきます。
カッコ内の歌詞に突然、
ゴハン・いっぱい・おかわりOKと
出てきて驚きます。
もはや、やよい軒です。
聞き手にバックコーラスで
やよい軒を刷り込ませます。
ドラゴンボールの番組制作のスポンサーに
やよい軒がいるなんて初耳です。
カッコは置いておいて、表の歌詞は
すこし切なさも感じさせます。
きのうにバイバイバイ、ふしぎ、
力をこめて、こちらへ。
その後のみらくるZENKAIパワーで
カモフラしてますが、
ここにも確かな奥深さがあります。
奥深さを最初でドンと出して、
隠して、また出す(隠す)。
完璧な流れです。
さらにバックコーラスのやよい軒と
みらくるZENKAIパワーでカモフラを怠らない。
最後は出しながら隠しているのです。
少年向けアニメの曲ではありませんね。
ハラヘリ ワンパク 筋斗雲
やまほど たくさん 水平線
出会って別れて 出会って別れて
た・いへ・ん
Ah もう 神様もつらいよね!
・・・ゴ・メン
Woh・・・ まんぷくZENKAIパワー!
でてこい とびきりZENKAIパワー!
最後にサビ。
筋斗雲まではいいとして、やはりその後。
やまほど たくさん 水平線
出会って別れて 出会って別れて
巧妙に奥深さを隠し、小出しにし、カモフラして
サビでは思いっきり出す。
まさしくZENKAIパワーです。
もう完全にユーミンの世界が現れてます。
出会って別れてを2回繰り返す。
このリフレインが前述の
やまほど たくさん
を強調しているわけなんですね。
そしてこの歌の真骨頂はこの後、
Ah・・・もう 神様もつらいよね!
・・・ゴ・メン
突然に神様への同情。
神様「も」のところもポイント。
水平線の自分のつらさに嘆きながら、
神様にすら同情する客観性を持つ。
それは自分だけがつらいんじゃないと
わかっている大人の視点です。
さらにこの「神様」とは誰なのか。
ナメック星人ではないことは確かです。
自分と出会って別れた水平線の人なのか、
全く関係ない人なのかは不明ですが、
この神様に
・・・ゴ・メン
と謝るわけです。
このワードが何よりこの曲のキラーワードにして
最も重要なキーワード。
・・・を置くあたりの切なさ、情緒もさることながら
やはりゴメンではなく、
「・・・ゴ・メン」とさせた
ところにポイントはあるでしょう。
普通は切らない。
「ゴメン」である。
しかしこの曲は「・・・ゴ・メン」
サビに入り奥深さを存分に出して、
おもいっきりグワングワンに食らわされた後、
やさしく「・・・ゴ・メン」
最後の最後に切ないコミカルめいた優しさ。
もう、何も言えない。
ただのかわいい少年向けソングではない。
この曲を聴くたびに、
僕はくらくらしてしまいます。
PS.手紙を書くのがわりと好きです。
内容はくだらないです。
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