もう見れないドラマ

見れないドラマがいくつかある。

あまりに僕の心を揺さぶり、
見終わった後抜け殻のようになって
しまうことが予想されるためだ。

①【オレンジデイズ】
大学生になってからもう見ることは
できなくなった。

あまりに眩しい学生生活が
繰り広げられており、それは
僕の現実との間にマリアナ海溝よりも
深い溝を作り出している。

もちろんこんな学生生活を本気で
夢見ていたわけではない。
大学生活に一切の希望を持たずに
僕は入学した。
しかし。
それでも。
心の片隅のどこかで。

青春の空気を味わえるのかな…
と思う気持ちがあったことは
否定することができない。

できの悪いテストも返却される
時には一抹の期待を抱いてしまうように。

当然現実は違う。
僕は一人で中庭で林檎を齧り、
本を読み、授業をサボってヒトカラする
男となってしまった。

僕もサンダルを投げて自転車止めたかった。
オレンジノートみたいなやつやりたかった。

あああああ!!!!!!!

となってしまうのでもう見ない。見れない。

②【ウォーターボーイズ】
これはドラマの方のやつ。
圧倒的青春感がマイクタイソンの
ストレートの如く僕をぶん殴る。
仲間とひとつになって何かをやり遂げる。
そしてそこに親とか大人とか恋愛とか
さまざまな要素が絡み合う。

こんな素敵なもの見れる訳が無い。

僕の高校生活といえば友達の家を
たまり場にしてゲームをして、
麻雀を打ち、日が出たらサッカーをして
汗とタバコの匂いをさせて帰るという
めちゃめちゃな生活をしていた。

爽やかさのかけらもない。
ちなみに、
この当時一緒に遊んでいた奴等は、

浪人(2年遅れで入学後、就職して病む)

浪人(入学後5年在籍し、中退)

土方(堕胎させること2回、その後失踪)

というルートを歩んでいった。

スタンドバイミーに勝るとも
劣らないエピローグである。

③【世界の中心で愛を叫ぶ】

泣くだろう。
こんなもの見たら。

想像して欲しい。
PCで一人セカチューを見て
涙を流している24歳彼女無しを。

田舎の高校生になって
恋愛したいと本気で思う
セカンドチェリーボーイを。

恋人と純愛の末、死による別れを
迎えるなんてケータイ小説のような
シナリオにのめりこむコミュ障を。

怖いし、悲しい。

客観的に考えてもなんだか恐ろしい。
現代の闇を自分の中に見てしまう。

なので、見ることはできない。

PS:僕の好きな映画はマフィア映画ですが、
  これは僕の深層心理の欲求を表して
  いるのでしょうか。

今日も何かを間違えた

日々の中で間違えたこと ずれたことを綴ります。 岩崎キリン:iwa191cm@gmail.com

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