お土産に1番困る県はどこだろう

先日僕は広島へ出張に行った。
となるともちろん

もみじまんじゅう

を買って帰り、部署の皆に配るわけだ。
お土産 広島 と検索すれば
もみじまんじゅう。
もみじまんじゅうと検索すれば
広島土産と出てくる。
このようにあっさり買うものが決まっている
県に行くのは簡単である。
それを買えばいい。


貰った方もわかりやすくていい。

あぁ~これねはいはい美味しいよね。

これで終わる。
宮城なら萩の月、北海道なら白い恋人、
沖縄ならちんすこう(紫芋タルトも可)
博多ならとおりもん。
うん。わかりやすい。

鳥取なら梨味の何か、
山梨ならさくらんぼ味の何か、
長野ならりんご味の何か。

その土地の特産物の味のもので
お茶を濁すこともできる。
うん。わかるわかる。

だけど、

もし島根に行ったらどうしよう。

僕の持っている島根の知識は
鳥取とよく間違えられること、
出雲大社があること、
出雲そば
くらいだ。

こんなところに行ったらなにを
お土産にすればいいんだ。


そば?



出雲そばをお土産にするのか?



シミュレーションしてみる。



15時半頃、僕は大量のそばの乾麺を
取り出して袋を破り始める。

そしてその勢いのまま、
1束ずつ無言で相手に渡し始める。

もらった方は当惑する。

未だかつて裸のままそば1束をお土産に渡して
来た者がいただろうか。

いない。
そんなやついてはならない。


サイコパスのお土産。
そば1束。


受け取る際にぽきぽきと数本折れても、
私は全く意に介さず、顔色一つ変えずに
配り続ける。

これはいったい…?
どうしたんだ彼は…?

そんな声が周りから聞こえる。

が、馬の耳に念仏。

そばをすべて配ること。
それ以外何もすべきことなどない。

それが島根に行った者の宿命なのだ。

すべてを配り終えた私は満足する。

そんな私を見て部長が会議室に呼び出す。
私の挙動を問い詰める。

「なぜそば1束をお土産に?」

僕は斜め上を見つめながら、こう返す。

「出雲大社は持ってこれなかったので、
 出雲そばを持って参りました」

部長は悲しそうな顔で続けた。

「君は休んだ方がいい」

僕は視線を変えず言った。

「生めんの方がお好みでした?」

部長は黙って首を振って、会議室を出る。

僕は精神科への通院を勧められ、
長期休暇を取るよう命ぜられる。
そしてそのまま2度と
職場には戻れなかった…

なんてことにならないためにも、
各県のお土産情報は調べておこう。

PS:島根のお土産を調べたが、
  知っているものは何一つ
       ありませんでした。

今日も何かを間違えた

日々の中で間違えたこと ずれたことを綴ります。 岩崎キリン:iwa191cm@gmail.com

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