深夜 サービスエリアで検索すると
やはり同じように考える人は多いようで、
まとめサイトなんかの記事になっている。
あの独特の雰囲気はなんだろうか。
人がいるのにどこか奇妙な静けさがある。
昼のイオンと正反対の空気がある。
なんだか少しロマンチックさもある。
付き合って1年半くらいのカップルが
向かってほしい。
「ねえ。」
彼女は温度も抑揚もない声で僕を呼んだ。
「サービスエリアに行かない?」
既に午前1時を回っている。
僕たちはつまらないテレビ番組を
見るともなく見ていた。
「サービスエリアに?」
僕は聞き返した。
そこに何か重要な意味が隠されているのか、
慎重に確かめるように。
「そう。サービスエリアなら
どこでもいいわ。」
彼女は顔色一つ変えずに言った。
明日ー正確に言えば今日はやることもない。
反対する理由もなかった。
サービスエリア。悪くない。
「わかった。行こう。」
僕らは退屈な空気をまとったまま、
近くの駐車場に向かった。
タイムズカーシェアリング。
便利なシステムだ。
資本主義は合理性の促進とシステムの細分化を猛烈なスピードで推し進めた。
それは時として人の幸福を曇らせる結果にもなったが、それは別の話だ。
車中で彼女はドビュッシーを流した。
いささかメロウ過ぎたが、文句はなかった。
蓮田サービスエリアで僕らは降りた。
彼女は紅茶、僕は缶コーヒーを
自動販売機で買ってサービスエリアの
外れにあるベンチに座った。
「サービスエリアは好き?」
彼女が静かに聞いた。
しかしその声には小さな熱がこもっている。
「好きだよ。特に夜はね。」
僕は彼女の熱を煽るように言った。
彼女は少し目を細めて、笑った。
僕も少し口角を上げた。
そのまま黙って時間が流れた。
僕は煙草を取り出した。
彼女はそれを見るや、丁寧に僕の手から
煙草を取り上げた。
「喫煙所は向こうよ。」
僕は諦めたように言った。
「誰も咎めないさ。」
「誰も?」 「誰も。」
彼女は少し考えて言った。
「私も咎めるつもりはないわ。でもー」
「でも?」
彼女は僕の顔を見つめ、いきなりキスをした。
「キスが煙草臭くなるわ」
「なるほど」
僕は小さく笑った。
彼女もやはり少しだけ目を細めて笑った。
みたいな感じの妄想を1日に4回くらいしてるのですが、病気でしょうか。
PS:実家に帰ると、食べ過ぎて2kgくらい太ります。
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