疲弊。
疲弊している。
仕事に対するモチベーションは上がらないが、
仕事量は増えてきている。
22時半の天神も蔓延防止措置のせいか
人通りが少ない。
コンビニと信号と西鉄バスの広告だけが
虚しく光っている。
バスの窓から、街を眺める。
ダウンタウン浜田が歌った歌を思い出す。
流れる景色を必ず毎晩見ている
ウチに帰ったらひたすら眠るだけだから
まったく、参っちまうな。
人間も冬眠できればよいのに、と
最近よく考える。
秋にはせっせとご飯を食べて、でっぷりと
脂肪を蓄えたところでこてんと眠る。
そのまま春の柔らかい日差しで
目覚めるまで眠り続けるのだ。
人々は冬眠する人間として僕を研究し、
僕はその研究費用でぬくぬくと生きるのだ。
僕の研究は重病人への治療として活用され、
やがてコールドスリープ技術が確立する。
もちろん僕は第一人者として、
梅雨の時期とか、ゴールデンウィーク明けの
気が乗らない時とかにばんばん
コールドスリープするのだ。
すると、目覚めるたびにみんなが不思議と
老けていることに気づく。
子供ができた、実家に帰った、転職した、
そんな話題が常に遅れて入ってきて、
自然と僕は人付き合いができなくなる。
しかし、もう冬眠とコールドスリープ以外の
生き方をすることはできない。
次第に起きてる時よりも寝ている時の
方が多くなっていく。
そうやって僕はえんえんと眠り続ける。
両親が死に絶え、友人が定年を迎え、
日本は新たな年号に突入する。
やがて、人々は僕を起こすことをやめる。
僕は永遠に起きない眠りにつくのだ。
限りなく死に近い眠りがそこにある。
だけど、僕は安心する。
二度と起きた後のことを考えないで済む。
起きた時の不安も、起きてる時の悲しみも
全てが眠りの中に飲み込まれるからだ。
おやすみなさい。
ps,こんな暗い話になるとは思わなかった、
本当に疲れていそうなので、
今日は甘いもの食べます。
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