先に⓪から見てね。
まぁ言わんでもおそらくここの読者は⓪から見て
くれているでしょう。
「どうもー 温泉ボーイですー」
「お願いしますー ありがとうございますー」
「あーありがとうございますー ねっ
今 化粧水の試供品をいただきましたけどもね」
「ありがとうございますー」
「こんなん なんぼあっても良いですからね」
「一番良いですからね」
「ねー有り難いですよ ほんとにね」
「入れておきましょう」
「ゆーとりますけどもね」
「いきなりですけどね うちのオカンがね
好きな温泉があるらしいんやけど」
「あっ そーなんや」
「その名前をちょっと忘れたらしくてね」
「なんで忘れるねん」
「でまあ色々聞くんやけどな
全然分からへんねんな」
「分からへんの? いや ほな俺がね
好きな温泉 ちょっと一緒に
考えてあげるから どんな特徴ゆうてたか
ってのを教えてみてよ」
「あのー湯畑が有名な温泉らしいねんな」
「おー 草津温泉やないかい
その特徴はもう完全に草津温泉やがな」
「草津温泉なぁ」
「すぐ分かったやん こんなんもー」
「でもこれちょっと分からへんのやな」
「何が分からへんのよー」
「いや俺も草津温泉と思うてんけどな」
「いやそうやろ?」
「オカンが言うには 熱がりの人にも
おすすめらしい」
「あー ほな草津温泉と違うかぁ
草津温泉はそういう温泉とちゃうもんねぇ」
「そやねん」
「草津温泉はね あの熱さを楽しめる人が
入浴するものやねん」
「そやねんな」
「な? スーパー銭湯みたいに万人に
おすすめする温度ちゃうねん
5分と入っていられないんやから」
「そやねんそやねん」
「草津温泉ってそういうもんやから
ほな草津温泉ちゃうがなこれ」
「そやねん」
「あれほなもう一度詳しく教えてくれる?」
「硫黄がものすごく強いらしい」
「草津温泉やないかい 硫黄がものすごくて
強酸性やから1円玉が1週間で溶けてなくなる
ほどなんやからあれは」
「そうなんやな」
「その酸性のおかげでクレンジング効果が
すごすぎて長湯すると逆に危険やねんな」
「分からへんねんでも」
「何が分からへんのこれで」
「俺も草津温泉と思うてんけどな」
「そうやろ」
「オカンが言うには 観光客が
少ないって言うねんな」
「ほな草津温泉ちゃうやないかい
熱海温泉と別府温泉という
ツートップの下にくいこんで
2019年温泉観光客数3位やねん」
「そやねんそやねん」
「な? そのふたつの牙城を崩すのは
厳しいねんけど去年4位からめっちゃ
頑張って3位に上げたんや」
「そやねんそやねん」
「過去最多の観光客数やったんやから」
「そやねんな」
「草津温泉ちゃうがな ほな もうちょっと
なんか言ってなかった?」
「湯もみ体験ができるらしい」
「草津温泉やないかい あの大きい板で
源泉をばっしゃばっしゃ冷ますのが
草津温泉の伝統やねんから」
「分からへんねんだから」
「なんで分からへんのこれで」
「俺も草津温泉やと思うてんけどな」
「そうやろ」
「オカンが言うにはお金をすごく
使っちゃうらしい」
「ほな草津温泉ちゃうやないかい
共同浴場は無料のところがほとんどやねんから」
「せやねん」
「ご飯もそばとかうどんとか定食とか
安いところがほとんどやねん」
「せやねんせやねん」
「一番使ってもガラス体験するくらいやねんから」
「せやねんせやねん」
「草津温泉ちゃうがなほな
ほなもうちょっとなんかゆうてなかったか?」
「日本の温泉100選でずっと一位らしい」
「草津温泉やないかい
旅行会社関係者などの投票で決まる
日本の温泉100選で18年連続一位やねん
もう殿堂入りしてもええやろ」
「分からへんねんでも」
「なんで分からへんのこれで」
「俺も草津温泉と思うてんけどな」
「そうやて」
「オカンが言うには
若い女の子がこぞって行くいうねん」
「ほな草津温泉ちゃうやないかい
若い女の子にも人気やろうけど
こぞっていくには若者要素が少なすぎるねん
射的場でわいわいしても持って1時間やねん
結婚3年目くらいの夫婦が向かう
場所やねん草津温泉は」
「そやねんそやねん」
「ほな草津温泉ちゃうやないかい
ほなもうちょっとなんかゆうてなかった?」
「その温泉を訪れた偉人の碑が
たくさんあるらしい」
「草津温泉やないかい
湯畑のまわりをぐるーっと囲むように
たくさんの人の名前があるんやから ね?」
「そやねんそやねん」
「明治大正期の文豪がそろい踏みやねん
でちょっと離れたところに
ヤマトタケルあって え?神話やん?
てなるのがあの碑やねんから」
「でも分かれへんねん」
「分からへんことない
オカンの好きな温泉は草津温泉もぉ」
「でもオカンが言うには
草津温泉ではないって言うねん」
「ほな草津温泉ちゃうやないかい
オカンが草津温泉ではないと言うんやから
草津温泉ちゃうがな」
「そやねん」
「先ゆえよ 俺が湯畑周りの碑の
ヤマトタケル話してる時どう思っててんお前」
「申し訳ないよだから」
「ホンマに分からへんがなこれ
どうなってんねんもう」
「んでオトンが言うにはな」
「オトン?」
「尻焼温泉ちゃうか?って言うねん」
「いや絶対ちゃうやろ もうええわー」
「ありがとうございましたー」
PS.誤字を含めてこの手作り感、すごい好きです。
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